「室井慎次 生き続ける者」を鑑賞して

室井慎次 生き続ける者」を鑑賞した。

踊るシリーズのファンではないけど、個人的にはまずまず面白かったと思う。

ただ、鑑賞後にネットを見たら酷評する動画がそこそこ流れてきて、そんなに酷かったかなぁと。

どんな評価がされているのか色々聞き流した。例えばこれとか。

https://www.youtube.com/watch?v=IM0Xhj0MPGI

 

批評内容はその通りだと思うし的確に言語化されてて感心したのだけど、ちょっと思うところがあったので、感想をしたためてみた。

以下、ネタバレ含むので注意。

 

批評動画の中でも述べられてたとおり、古い固定観念なものが露骨に表れている部分があったし、それ以上にご都合主義な展開が多々あったのは否めない。

そしてクライマックスでは、室井さんが亡くなったことが後日談的に描写される。

室井さんはいずれ青島と共演するものとばかり思ってただけに瞬間的なショックは大きかったし、劇場内ではすすり泣く声も聞こえてくるくらいだった。ただ、直前には室井さんが死ぬという結論を迎えるための強引な展開があったりして、その点はさすがに個人的にも違和感を覚えた。

そういう意味では、「もっとうまく描写できたのでは」とか「わざわざ前後編に分ける必要もなかったのでは」という意見はごもっともだし、その通りだと自分も思う。

ただ、ここからは個人的な感想、意見になるのだけど、この映画は「映画作品」というよりは「スペシャルドラマ」であって、いわゆる映画的な面白さ、真っ当さを求めても仕方ないのでは、とも考える。

自分が観賞した時の映画館の観客は中年以降と思しき方々が大半だった。おそらく制作者側もターゲット層は織り込み済みで、2,30年前の「踊る大捜査線」ドラマ本編及び映画(レインボーブリッジを封鎖せよ等)に馴染みのある40代以降が対象なんだろう。

本編中でも室井さんの背景に関する説明はほとんどない。過去の映画の一幕を見せるだけで、対象としている観客には室井さんの背景、心情は十二分に思い出してもらえるのだ。

そんな観客が求めるのは、警察のトップを目指したエリートの室井さんがどうなったのかという答えだと思う。

そして製作者側が提示した答えは、『室井さんは故郷に帰り、里親になって、孤児や周囲と色々あったけどそれなりに理解しあえた状態で亡くなる』というものだった。

そうなの?! 青島刑事とは共演しないの?

でも柳葉敏郎織田裕二は不仲説もあるし、年齢のこともあるから仕方ないか~。

室井さんは失意のうちにキャリアを終えたけど、最期に遺したものがあってよかったね。

 

それでいいのだ。制作者の作者の出した答えが果たして適切かどうかは別として。

玄人筋から見ると映画の構成や脚本内容に稚拙な部分はあるかもしれないけど、正直そこを気にしない(分からない)一般人、素人からしたら、結末が分かったことが重要だったんだと思う。

なにせシリーズから30年近くたっているからね。

俳優の年齢もそうだし、何より観客自身が結論を見届けられない可能性だってある。

映画作品としてはダメ映画でもそれなりに満足できる人もいるのだから、よってたかって酷評するのもなんだかな、捉え方は人それぞれだよなと改めて思った。

少なくとも自分も全体としては楽しめた。

批評動画のコメント欄の一部に「良い映画だった」って感想を見かけるのも、その点ではごく自然なことかと。

 

ちょっと酷評が多いので、映画はほとんど見ない素人の観点から批評動画を含めた感想を書いてみようと思い立った結果、こんな長文になってしまった。

それでも十分に説明できたとは思えない。どうしても拙い表現に留まってしまう。

映画評論家の言語化能力の高さには改めて感心した次第である。

ちなみに織田裕二主演の続編を同じスタッフが制作するのであれば、出来栄えに不安があるという意見には同意する。

でもおそらく、今回同様家内に連れられて観に行くんだろう。2026年が楽しみである。